ワイナリーのモットーは健全なブドウを得るために、365日畑仕事に全力を注ぐこと。除草剤は使わず他の薬剤も極力抑えたリュット・レゾネでブドウを育て、グリーンハーベストで収量を押さえる。収穫時に畑とセラーで２回入念に選果をしたら、醸造はシンプルに。 「濃さではなく、素直な果実味を味わえるよう、抽出は抑えめにしている」との言葉通り、抑制の効いた、ちゃんと熟してキメの細かい良質のタンニンがこのワインの「ラブリー」さの要。チェリーなど淡めのベリー系の果実味が時間経過とともに深まり、濃色のベリーや甘いスパイス、木の皮などの風味も加わって、最初よりずっと深みある味わいに。7-10年程度の熟成に十分こたえる底力を秘める。バターやクリームを使った魚料理や、幅広いの肉料理に。タンニンが優しいので軽く冷やしめ（14℃前後）で味わうのがお勧め。 【ワイナリーINFO】 ・ 2015 ギド・アシェットひとつ星 ・ 1997年にサントネに近いサン・セルナン・デユ・ブランに数プロットからワイナリーをスタート。2014年に息子カンタンが加わり、更に品質が向上。現在はセラーとテイスティング施設をムルソー（コシュ・デュリからほんの数百メートル）に構え、コート・ド・ボーヌ全体に耕作地を広げつつある。 ・　サントネはかつて赤の銘醸地として知られ、19世紀前半には現在の1.5倍もの耕作面積があった。同産地についてマット・クレイマーは「おいしい赤の産地であり、その価値は食事との相性での中ではかられるべきだ」と述べている。