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ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ=コンティの共同経営者を長く勤めたオベール・ド・ヴィレーヌ氏が、パメラ夫人とともに設立したワイナリーの顔がこのアリゴテ・ブーズロン。
自らの住む村ではブルゴーニュの歴史的品種のポテンシャルを追求し、昨今のアリゴテ・ルネッサンスを大きく先駆けた。
【味わい】
かなりリッチなアリゴテ。暑い年ながら旨味を伴うまろやかな酸がしっかりあり、たっぷりとした石果風味に溢れ、口中は暖かく噛み応えさえ感じる。仄かな苦みを伴うナッティーで長い余韻。
【テクニカル・インフォメーション】
アリゴテはクリュニュー派修道士によってブルゴーニュに最初に植えられたブドウで、ピノ・ノワールとグエ・ブランの自然交配品種。ブーズロンに育つものは、多くの生産者やプロが劣等とみなす「アリゴテ・ヴェール」とは異なり、果皮が薄いため成熟すると黄金色になることから「アリゴテ・ドール」と呼ばれる。若いうちはレモニ―でフレッシュな果実味とヘーゼルナッツ的香味、ミネラル感が魅力だが、熟成によってスモーキーな深みと膨らみを得る。
栽培は認証付き有機農法にビオディナミを援用。17の異なる区画のブドウは、平均樹齢約65年。最も古い区画は115年に達する。収穫もソートも手作業で行う。区画別にステンレスタンクで2-3日低温浸漬した後に空気圧プレスで全房のまま優しくプレスし、30-40hlのフードルを中心に、解放桶、古樽などを用いて発酵。フードルで熟成する。発酵中の介入は20-22度に温度コントロールするのみで、バトナージュもやむなく必要な場合(還元的になるなど)以外は行わない。
【ワイナリー】
2022年の引退まで48年間DRCの経営者を務め、その「管理人」を自認してきたオベール・ド・ヴィレーヌが、1971年にアメリカ人であるパメラ夫人と、ブルゴーニュで最初にブドウが植えられた地、ブーズロンに設立。
DRCで世界最高水準の狂信的追及に励む一方で、設立当初は夫妻の名前を課したこちらのワイナリーでは、ブーズロンで歴史的に育てられてきたアリゴテ・ドール種を主体に栽培。国際的市場評価を気にすることなく、歴史的品種のポテンシャルを追求してきた。また、ド・ヴィレーヌ氏は1997年のINAOによるブーズロンアリゴテのAOC制定に大きく貢献。
生産の様々な局面でDRC流を受け継いでおり、栽培はオーガニック(1997年認証)にビオディナミを援用。現在はド・ヴィレーヌ氏の甥ピエール・ブノワ氏がワイナリーを指揮している。
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