【味わい】 同一生産者のLa Planteとは対照的な、偉大な正統派ブルゴーニュのコンパクト・ヴァージョン的趣き。 深く落ち着いた、熟成途上の黒と赤の果実と、クローブ、シナモン、ヴァニラなどが織りなす複雑な香り。味わいはより黒系果実が優勢に。柔和で旨味を感じさせるタンニン、アルコール、酸、果実味、樽やトースト香が中庸なところで絶妙のバランスを取る。長めの余韻。端正なたたずまいにアンリ・ジャイエ→ビゾ系譜の遺伝子が垣間見え、上級クラスへの期待が高まる。 【テクニカル・インフォメーション】 コルグロワンの3つの単一畑の葡萄を手摘み。畑と選果台で厳密なソーティングの後、コンクリート製の発酵槽で自生酵母で12～15日発酵・マセラシオンを行う。MLFの後、空圧式の搾汁機で優しく搾汁。フレンチオーク樽で15～18ヶ月熟成させる。新樽率は30％。 【生産者】 ジャン・イヴ・ビゾ夫人、クレールの実家である、1500年から続くワイナリー。リュットレゾネによるブドウから、夫の指導を受けつつも、アルチザン的細やかな手作業を惜しまず、より個性溢れるワインを造る（クラシックとナチュールの２路線）。コート・ドールより標高が高く、従来ブドウの熟度の点でハンデのあったオート・コートが本拠地で、気候変動がむしろ有利に働くプロットも多く、目が離せない。